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論文

ビーム迅速切換のためのサイクロトロン磁場補正システム

奥村 進; 宮脇 信正; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 石堀 郁夫; 百合 庸介; 奈良 孝幸; et al.

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.374 - 376, 2011/12

原子力機構AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究利用が主流のため、同じビームでの照射時間が数時間程度と短く、ビーム切換時間の占める割合が大きい。マシンの利用効率を向上するために、高頻度で実施されるビーム切換の時間短縮を目指している。ビーム切換では、毎回再立ち上げを行うサイクロトロン磁場形成に最も時間を費やしている。そこで、短時間でサイクロトロンの磁場形成を可能とする技術開発を行っている。磁場立ち上げ直後に発生する磁場の過渡的変動を抑制し、安定な磁場を迅速に形成するために、磁場補正システムの構築を行った。すなわち、主コイルの外周に沿って5ターン分巻いた補正コイルによって主磁場の微調整を行う。磁極間に設置されたNMR磁場計測プローブによって得られた磁場計測値に基づいて、PID制御による磁場制御を行い、短時間で設定磁場に収束できることを確認した。

論文

J-PARCシンクロトロンRF空胴のインピーダンス測定

野村 昌弘; 田村 文彦; Schnase, A.; 山本 昌亘; 長谷川 豪志*; 島田 太平; 原 圭吾*; 戸田 信*; 大森 千広*; 吉井 正人*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1263 - 1266, 2011/12

J-PARCシンクロトン(RCS, MR)RF空胴では、高い加速電圧を達成するために、通常用いられているフェライトコアの代わりに金属磁性体コアを採用している。RCSではアンカットコアを採用し、MRではQ値を0.6から26に高めるために、カットコアを採用している。本論文では、インピーダンスの測定結果から、RCSの座屈対策を施した空胴の状況、MRカットコア切断面の錆び対策の有効性について述べる。また、2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響についても述べる。

論文

東日本大震災によるJ-PARC物質生命科学実験施設の建屋と基準点の変動

原田 正英; 岩橋 孝明; Harjo, S.; Strasser, P.*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.803 - 805, 2011/12

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、J-PARCがある茨城県東海村でも震度6弱を観測し、J-PARCの各施設に大きな被害を与えた。運転再開のためには、施設や機器の復旧が急務であるが、震災前のような十分なビーム強度を発生させるためには、各施設のアライメントを確認する必要がある。そこで、MLFでは、震災による建屋や基準点の変動を調査するために、公共1級水準測量に準拠した水準測量及び公共1級基準点測量に準拠したトラバース測量を実施した。水準測量の結果からは、中性子源中心部分が周囲に比べ数mm程度沈下し、建屋内では最大で9mmの不等沈下が見られた。一方、MLF周辺に増設された実験ホールと長尺建屋は、基礎構造の違いから大きく沈下しており、特に建屋接続部分でそれぞれ142mm, 89mm沈下していることがわかった。さらに、1.5か月後に行った水準測量の結果から、余震により最大1.7mm沈下が進んだこともわかった。水平変動については、MLF建屋内での基準点の変動は、最大でも10mm程度であったが、長尺建屋や第3実験ホール内での基準点の変動は30mm程度あることがわかった。

論文

横方向アクセプタンス計測装置の予備試験

柏木 啓次; 宮脇 信正; 倉島 俊; 奥村 進

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.504 - 506, 2011/12

原子力機構高崎量子応用研究所ではサイクロトロンへのビーム入射の最適化を行うため、横方向アクセプタンス計測装置を開発している。本装置は、入射ビームラインに設置したPhase space collimator(水平・垂直方向各1対のスリット)及び、高エネルギービームラインに設置したビーム強度測定装置(ファラデーカップorシンチレーションカウンタ)からなる。アクセプタンスは、Phase space collimatorによって加速器に入射するビームを位相平面上の微小領域に規定し、その領域をスキャンしながら、高エネルギービーンラインに設置したビーム強度測定装置によってビーム強度を測定し、ビームの相対透過率分布を求めることで求められる。本装置を用い、アクセプタンス及びエミッタンスの計測試験を行った。この測定では、$$^{16}$$O$$^{6+}$$ビームをサイクロトロンで160MeVまで加速して重イオン照射ライン(HAコース)のファラデーカップまで輸送するためのアクセプタンス及びサイクロトロンに入射する50.2keVのビームエミッタンスを求めた。計測の結果、エミッタンスについては全体が計測されたが、アクセプタンスについては測定範囲が限定されていた。これは、入射ビームの有する位相空間領域が一部の領域に限定されているためである。今後は、ステアリング電磁石を用いて入射ビームをスキャンすることによりアクセプタンス全体の計測を行う予定である。

論文

500-kV光陰極DC電子銃の開発

西森 信行; 永井 良治; 羽島 良一; 山本 将博*; 宮島 司*; 本田 洋介*; 飯島 北斗*; 栗木 雅夫*; 桑原 真人*; 奥見 正治*; et al.

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.20 - 23, 2011/08

次世代ERL放射光源の電子源に対する要求は、エミッタンス0.1$$sim$$1mm-mrad電流10$$sim$$100mAの高輝度大電流電子ビームの生成である。われわれは平成20年度より500kV光陰極DC電子銃の開発に着手し、21年度世界に先駆けて500kVのDC印加試験に成功した。高電圧印加試験に成功後、ビーム生成のために次の3つの技術課題に取り組んでいる。(1)カソード・アノード電極をインストールした状態での500kV高電圧印加、(2)ガリウム砒素光陰極の長寿命化のための1$$times$$10$$^{-9}$$Pa以下の極高真空の実現、(3)静的寿命の長いガリウム砒素光陰極の準備。(1)については、これまで466kVまでの高電圧印加に成功した。放電後、300kV前後でカソード電極から電界放出電子が発生するようになったため、原因を調査中である。(2)については、合計18,000l/sのNEGポンプ、200L/sのイオンポンプをインストールし、目標である6$$times$$10$$^{-10}$$Paの極高真空を実現した。(3)については、水素洗浄装置を導入することで、活性化前のガリウム砒素光陰極表面の清浄化に成功し、静的1/e寿命1000時間を達成した。下流ビームラインを接続して300kV,最大5.7microAのビーム生成にも成功している。上記開発の現状について報告する。

論文

非破壊核種分析用ERLスポーク空洞形状の多目的最適化計算

沢村 勝; 永井 良治; 西森 信行; 羽島 良一

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1332 - 1335, 2011/08

スポーク空洞は空洞間隔を短くできることや、マイクロフォニックスによる空洞周波数の変動も小さいこと、セル間のカップリングが強く電界分布調整が容易なことなどERL加速空洞として用いる場合に利点が大きい。スポーク空洞は楕円空洞に比べて形状が複雑であるため最適化すべき空洞パラメータも多い。さらに最適化のための評価関数も複数あり、多目的関数の最適化による空洞設計計算が必要となる。そこで遺伝的アルゴリズムを用いた多目的関数の最適化計算を行ったので、その結果を報告する。

論文

J-PARC RCSにおけるマルチハーモニックビームローディング補償

田村 文彦; Schnase, A.; 山本 昌亘; 大森 千広*; 吉井 正人*; 野村 昌弘; 戸田 信*; 島田 太平; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.76 - 80, 2011/08

J-PARC RCSでは、広帯域(Q=2)の金属磁性体空胴を採用することで、高い加速電界を実現するとともに、2倍高調波を重畳したRF電圧を発生させ、縦方向のバンチ整形を実現している。その一方で、広帯域であるために、空胴に発生するwake電圧も高調波の成分を持つ。大強度陽子ビームの加速に際しては、加速周波数の基本波成分のビームローディングのみならず、wakeの高調波成分によるRFバケツの変形も問題となる。このため、RFフィードフォワード法によるマルチハーモニックのビームローディング補償システムを開発した。Wake電圧をキャンセルするためのフィードフォワード振幅及び位相のパターン調整を確立し、11台のすべての空胴について、300kW相当の大強度ビームを用いてフィードフォワードの調整を行った。シムテムの概要、調整手法の詳細について報告する。加速全域にわたりビームの見るインピーダンスを大幅に下げることに成功した。ビームローディング補償を行うことにより、ビームの品質が改善し、またビームロスを減らすことにも成功した。

論文

JAEA-250kV光陰極電子銃における磁気エミッタンス補償

永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1174 - 1176, 2011/08

原子力機構ではERLを基盤とした次世代光源の開発を進めている。次世代光源ではエミッタンスの極めて小さい電子ビームが必要であり、このために光陰極直流電子銃を採用し、開発を進めている。このような小さなエミッタンスの電子ビームを得るには電子の熱運動量による熱エミッタンスはもとより、陰極表面の磁場による磁気エミッタンスも問題となる。そこで、われわれの電子銃ではエミッタンス補償用のソレノイドにバッキングコイルを設けて磁気エミッタンスを補償している。本報告ではバッキングコイルによる磁気エミッタンス補償の詳細について報告する。

論文

Geant4によるJ-PARCリニアックのビームロスの研究

丸田 朋史

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.317 - 319, 2011/08

大強度陽子加速器施設(J-PARC)はMWクラスの陽子加速器であり、ビーム強度はKEK-PSの100倍以上である。このような大強度加速器で問題になるのがビームロスによる機器の放射化である。放射化は手作業によるメンテナンス作業に時間的な制限を与えるため、加速器の安定的な運用にとって大きな障害になる。現在のところ、J-PARCリニアックの放射化の最大の原因は、負水素イオンと残留ガスとの散乱である。これを研究し、抑制するための方策を検討するには、散乱断面積等の物理量に則ったシミュレーションツールが必要不可欠である。そこで私は、Geant4をもとに負水素イオンビームと残留ガスとの相互作用をシミュレートするライブラリを開発し、実際にリニアックのロスのシミュレーションを行った。本発表ではシミュレーションツールの内容、及びJ-PARCリニアックのビームロスのシミュレーションの結果について報告する。

論文

J-PARC運転データアーカイブにおけるHadoop適用の検討

吉位 明伸; 菊澤 信宏

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.519 - 522, 2011/08

J-PARCにおいては多数の機器により制御されており、EPICSレコードはLinac、RCSに関するもので約64000点にも及ぶ。運用中はこれらの機器で取得される大量のデータが発生する。現状では、汎用IAサーバにPostgreSQLを搭載したシステムにてデータを格納しているが、書込み性能がネックとなっており、秒間6000レコード程度の取得に留まっている。今後はデータ収集機器の増加やサンプリング間隔の短縮等により発生データ容量は加速度的に増大し、運用期間中にはトータル100TBにも及ぶデータが発生するものと見込まれる。将来的には高速な書込みと大容量のデータ格納に対応できるデータアーカイブシステムが必要と考える。ただし、大規模システムを最初に一度に構築することは多大なコストが発生するため、スモールスタートで開始し、必要に応じて柔軟な拡張が可能なシステムであることが望ましい。これらの要件を満たすシステムの候補として、Google社の大規模検索サイトで利用されるシステムをオープンソース化した分散処理フレームワークHadoop及び分散データベースHbaseが有力であると考え、これらについて適用可否を検討する。

論文

J-PARC LINAC/RCSにおけるMPSサブシステムの開発,2

鈴木 隆洋; 伊藤 雄一; 石山 達也; 丸田 朋史; 加藤 裕子; 川瀬 雅人; 福田 真平; 澤邊 祐希*; 菊澤 信宏

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.527 - 529, 2011/08

J-PARCのMPSはビーム衝突による放射化を可能な限り低減するために設置された。これにMPSサブシステムを組合せた統合システムにより、機器異常発生時の高速ビーム停止と安定したビームの運転再開を実現している。現在J-PARCではMLFとMRの各施設への共用運転を行っている。共用運転での重要な課題として、各施設の稼働率の向上がある。これまでは、ビーム共用運転中にMRの機器異常にてMPSが発報した場合、その影響がないMLFへのビーム供給も停止していた。そのためMLFへのビーム供給を再開するには、MRの障害が回復されるのを待つか、又は、ビーム行き先モードをMLFのみに変更する必要があった。施設の稼働率向上を考慮した場合、MLFのみに向けたビーム運転を迅速に再開できることが望ましい。そこでわれわれはこの課題に対応するためにMPSサブシステム2を開発した。この機器は、例えば、MRにてMPSが発報した場合、MR行きビームは出射せずに、MLF行きビームのみを出射させることができる。この機能を利用すれば、MLFのみのビーム運転を迅速に再開、又は中断せずに供給し続けることが可能となり、稼働率を向上できる。本発表ではMPSサブシステム2について報告する。

論文

J-PARC負水素イオン源の運転状況

小栗 英知; 池上 清*; 大越 清紀; 滑川 裕矢; 上野 彰; 高木 昭*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), 3 Pages, 2011/08

J-PARC加速器の稼働率向上のためには、稼働率を決定する要因の一つであるイオン源について、定期保守点検の頻度及び所要時間の低減が必要となる。実際に必要な保守点検頻度を評価するために2010年11月のRUN#36にて初めて2か月間連続運転を行った。その結果、イオン源は一度も保守作業を行わずにビーム電流16mAの条件で1270時間の連続運転に成功した。続くRUN#37では、最初の217時間を25mAで運転し、その後RUN#36と同条件の16mAで連続運転を行った。しかし1029時間経過後にイオン源の構成部品であるフィラメントが断線し、RUN途中で保守作業を行う結果となった。フィラメントの寿命はイオン源に投入するアークパワーに依存し、25mA運転時の所要パワーは16mA時の2.5倍程度であることを考慮すると、両RUNの結果はビーム電流16mAの条件ではイオン源は約1200時間の連続運転が可能であることを示している。保守点検の所要時間低減については、交換部品をすべてユニット化し、さらに専用の保管装置を製作して交換部品をインストール直前まで真空中で保管するなどの措置を講じた。その結果、今まで4日間程度を要していた保守点検時間を2日間程度まで短縮することができた。

論文

J-PARCリニアック高周波源の現状; 震災復旧とエネルギー増強

川村 真人*; 千代 悦司; 篠崎 信一; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 内藤 富士雄*; 山崎 正義*; 坪田 直明; 二ツ川 健太; 佐藤 文明; et al.

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), 3 Pages, 2011/08

J-PARCリニアック高周波源について、震災復旧の現状と、400MeVへのエネルギー増強に向けた取り組みを報告する。2011年3月11日の東日本大震災発生当時、J-PARCリニアック(現在の出力エネルギー181MeV)は1月5日からの2か月を超える連続運転の最中にあったが、震災によりリニアック建屋の壁・天井・ゆか・ドア,冷却水設備などに大きな被害を受け、運転の中断を余儀なくされた。またリニアック棟1階のすべてのクレーンが運転不能となった。このような状況下でリニアックRFグループは3月末より作業を開始し、可能な限りの早い復旧を目指している。また400MeVへのエネルギー増強について、機器の製造業者とスケジュールや納品方法などを話し合いながら取り組んでいる。

論文

J-PARC 3GeV RCS入射部コリメータによるロス低減

山本 風海; 山崎 良雄; 吉本 政弘; 神谷 潤一郎; 原田 寛之; Saha, P. K.; 發知 英明; 金正 倫計; 加藤 新一*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.312 - 316, 2011/08

J-PARC 3GeV Rapid Cycling Synchrotron (RCS)では、加速エネルギー3GeV, 200kWの出力で中性子ターゲット及び50GeV Main Ring (MR)に安定にビームを供給している。RCSを定常運転した際に最も大きな残留放射線量が観測されるのは、入射時に荷電変換し損なったH0及びH-ビームを廃棄するH0ダンプと周回ビームとの分岐点と、その直下流のBeam Position Monitor (BPM)である。これまでのビーム試験の結果から、この残留放射線は入射点に設置された荷電変換フォイルで入射,周回ビームが多重散乱され、散乱粒子がそれら光学的にアパーチャが狭くなる分岐点やBPMでロスし、発生していることが判明している。このような原因のため、荷電変換フォイルを用いた入射方式を採用する限り本質的にこのロスを無くすことはできない。そこで、このロスを緩和し、さらなる大強度出力を可能とするために、H0ダンプ分岐ダクトに新しいコリメーションシステムを導入する方向で検討を進めている。本発表では、この新しいコリメータの設計検討の概要を報告する。

論文

J-PARC 3GeV RCS入射部コリメータの最適化

加藤 新一*; 山本 風海; 山崎 良雄; 吉本 政弘; 神谷 潤一郎; 原田 寛之; 金正 倫計

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.296 - 300, 2011/08

J-PARC 3GeV Rapid Cycling Synchrotron (RCS)では、H-入射を行っているため入射点に荷電変換フォイルを設置している。このフォイルでおもに周回ビームが衝突し多重散乱されることにより、アパーチャが狭いH0ダンプと周回ビームとの分岐点やその直下流のBeam Position Monitor (BPM)でロスが発生している。さらなる大強度出力のためにはこのロスを緩和,局所化しなければならない。そこでH0ダンプ分岐ダクトに、フォイルでの散乱粒子を吸収するコリメータブロック(吸収体)を組み込んだコリメーションシステムを導入する検討を進めている。ここで導入される吸収体は、ビーム中心からの位置のみならず、散乱粒子が吸収体側面を掠ることによる粒子生成を防ぐために、ビーム軸方向に対する角度も調整できる設計とした。このコリメーションシステムを最適化するためには、散乱粒子と吸収体との衝突により生成する粒子まで含めたシミュレーションが必要不可欠である。そこで、粒子のトラッキングにはおもにSADを、散乱粒子と吸収体との衝突にはGEANT4を用い、吸収体の位置及び角度を最適化した。本発表では、これらのシミュレーション結果を報告する。

論文

原子力機構TIARA施設の現状

山田 圭介; 奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 上松 敬; 宇野 定則; 千葉 敦也; et al.

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), 3 Pages, 2011/08

原子力機構のイオン照射研究施設TIARAが有するAVFサイクロトロン(K110),3MVタンデム加速器,3MVシングルエンド加速器,400kVイオン注入装置の2010年度の運転状況,保守・整備及び技術開発の概要を報告する。年間運転時間はサイクロトロン3343時間,タンデム加速器2115時間,シングルエンド加速器2367時間,イオン注入装置1800時間であった。サイクロトロンについてはイオン種・エネルギー変更回数234回,加速モードの変更回数55回であった。東北地方太平洋沖地震後の運転を点検及び東京電力の計画停電の影響のために中止した。地震により、サイクロトロンでは遮蔽扉のロックピンが破損した他、入射系のターボ分子ポンプが故障した。全加速器について点検後の調整運転でビーム加速・輸送に問題がないことを確認した。技術開発では、多重極磁場による大面積均一照射技術の開発を進めるために専用の照射チャンバーをサイクロトロンのビームラインに設置した。また、2009年に設置したサイクロトロンのアクセプタンス測定装置の性能試験を開始するとともに、主磁場の迅速切替え技術の開発をほぼ完了した。イオン注入装置ではクラスターイオン専用のビームラインを増設するために偏向電磁石の入れ替えを行った。新ビーム開発では、サイクロトロンで190MeV $$^{14}$$N$$^{5+}$$, 490MeV $$^{129}$$Xe$$^{4+}$$を、タンデム加速器でIn$$^{3+}$$、イオン注入装置でGd$$^{+}$$及びC$$_{70}$$$$^{+}$$をそれぞれ加速した。

論文

J-PARC MR horizontal exciter test for transversal noise application

Schnase, A.; 佐藤 健一郎*; 冨澤 正人*; 外山 毅*; 魚田 雅彦*; 吉井 正人*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.338 - 342, 2011/08

To improve the duty factor of the proton beam, extracted by slow extraction to the Hadron hall, we applied transversal noise using the existing horizontal exciter in J-PARC Main-Ring (MR). For noise center frequencies of 5 and 7.5 MHz, operation was possible; however in a band above 6 MHz, we noticed that the pressure in the vacuum chamber increased near the exciter structure. Higher noise center frequencies seem to improve the duty factor seen by the Hadron experiment, therefore we tried frequencies near 30, 25, and 20 MHz. Problems with vacuum pressure rise prevented longer time operation. Therefore, we mapped safe and unsafe operation points as function of frequency and amplifier output power. We found a safe operation area for the extraction beam time planned for the April 2011 run, however due to the big Tohoku earthquake the beam time was postponed. Improved noise signals, where the amplitude distribution is independent of noise bandwidth have been created and we drove the exciter with them to confirm the feasibility. We confirmed that a solenoid around the exciter improves the multi-pactor issues. With a solenoid current of 2 A, the frequency range from 1 to 35 MHz is free from vacuum problem for the whole output power range of the used 1 kW RF transistor-amplifiers.

論文

J-PARC加速器の現状

J-PARCセンター加速器ディビジョン

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), 5 Pages, 2011/08

J-PARC施設はリニアック,RCS, MRの加速器,RCSからの3GeVビームを利用する物質生命科学実験施設(MLF),MRからの30GeVビームを利用するハドロン実験施設(HD)、及びニュートリノ施設(NU)から構成される。2010年夏にRCSの荷電変換フォイルのサイズ最適化や6極電磁石用のAC電源の据付などを行い、その結果MLFへは11月に共用運転のビームパワーを100kWから200kWに増強することができた。MRからの遅い取り出しでは、10月に取り出し効率99.5パーセントを達成し、HDに最大3.6kWを供給した。NU用の速い取り出しでは、入射キッカーの更新や主電磁石の繰り返しを速くするなどで12月に115kW、その後も2月に135kW、3月に145kWと着実にパワーを上げて供給運転を行ってきた。イオン源は16mAの条件で1,270時間の連続運転を実証し、また、RCSでは420kWに相当する強度の加速を実証するなど、性能向上につながる成果も出てきた。しかしJ-PARCは3月11日の地震で施設に大きな被害を受け、運転を休止せざるを得なくなった。現在点検や復旧作業を実施しており、2011年中のビーム調整運転再開、年度内に2サイクル以上の供用運転の確保を目標とする基本計画に従い、関係機関との調整,修復工事・作業などを進めている。

論文

数十MeV級レーザー駆動型粒子線用オンライン・トムソンパラボラの開発

榊 泰直; 金崎 真聡; 堀 利彦*; 福田 祐仁; 余語 覚文; 西内 満美子; 片桐 政樹*; 仁井田 浩二*

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.667 - 669, 2011/08

原子力機構では、コンパクトな高エネルギー粒子源の開発を目指し、レーザー駆動型粒子線源の開発を行っている。2010年報告したように、これまでにCO$$_{2}$$クラスターをターゲットとして用いた際には、10MeV/核子を超えるような高エネルギー粒子線が実現されているが、その物理メカニズムを深く掘り下げさらに効率的な加速を行うためには、レーザー光やクラスターのパラメータの最適化をこれまで以上に実施していく必要がある。レーザー駆動型粒子線の計測では、レーザーが物質に照射されて生じるプラズマ状態から発生する、電子線やX線などのさまざまな放射線の影響があるために、電子に感度がないCR39などの固体飛跡検出器が一般的に使われている。そのため、レーザー光とイオン発生に関する計測は実時間性のないCR39の解析をパラメータごとに大量に行わねばならず、そのことがデータ解析の進捗を妨げることが多いのが現状である。そこで、数十MeVのオンライン計測を狙い、原子力機構が開発した中性子検出用の蛍光体(ZnS)と、そのデータ解析にPHITSコードを利用した、オンライン型の高精度トムソンパラボラスペクトロメーターを開発する手法を確立したので報告する。

論文

線形ラティスの加速器モデルを使ったBPM個別の分解能測定

林 直樹

Proceedings of 8th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.434 - 436, 2011/08

線形latticeのもとでは、3-BPM法と呼ばれる方法で、3台のBPMの分解能が同じと仮定すると、それらのBPMの分解能を出すことができる。しかし、さまざまな理由により、BPMの分解能が個別に違う場合には適用できない。線形latticeの条件は、そのままに、3台の分解能が違った場合でも適応できるよう、3-BPM法を発展させた。それをJ-PARC RCSのBPMシステムに応用し、全台数の分解能及について求めた。

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